みんなで学ぶマネーのヒミツ

〝これってどうなの?〟をわかりやすく!

56歳で早期退職?!夫婦で迎える老後、夢と不安の狭間で

56歳で早期退職?!夫婦で迎える老後、夢と不安の狭間で

48歳会社員の恵美さんから、こんなご相談をいただきました。

「夫が5年後の56歳で早期退職を希望しています。退職金と貯蓄で老後資金は足りるでしょうか?住宅ローンのない今、資産運用を始めるべきでしょうか?」

早期退職後の生活は、自由な時間が増え、新たな挑戦ができる一方で、経済的な不安もつきまといます。今回は、恵美さん夫婦のケースをもとに、早期退職後のライフプランについて考えていきましょう。

早期退職、その後の暮らしは?3つのシナリオで検証

恵美さん夫婦の将来を左右する「早期退職」。その選択が家計にどんな影響を与えるのか、3つのパターンでシミュレーションしてみました。

【シナリオ1:夫56歳で早期退職】

早期退職の翌年から家計は赤字に転落し、90歳を迎える前に貯蓄が底をつく可能性があります。65歳から投資で補填を試みても、わずか6年で資金は枯渇してしまいます。

 

【シナリオ2:夫56歳で早期退職、70歳までパート勤務】

恵美さんの定年後も家計は赤字が続きますが、夫が70歳までパートで働くことで、投資資産の取り崩しを71歳まで遅らせることができます。これにより、年間130万円を10年間確保し、100歳までなんとか生活費を賄えそうです。

【シナリオ3:夫60歳で定年退職、70歳までパート勤務】

夫が定年まで働き、その後もパートを続ければ、家計は黒字化とまではいかないものの、100歳時点でも1,000万円以上の貯蓄が残ります。さらに、71歳から年間約130万円を10年間、投資資産から取り崩すことも可能です。

早期退職、夢を叶えるためのポイントは?

シミュレーション結果を見ると、夫が60歳まで働き、その後もパートを続けるのが、最も安定した老後を送れる可能性が高いと言えます。

しかし、早期退職には「時間に余裕ができる」「新しいことに挑戦できる」といった魅力もありますよね。早期退職を成功させるためには、以下のポイントを押さえましょう。

      • 早期退職の理由を明確にする: なぜ早期退職したいのか、夫婦でじっくり話し合いましょう。目的が明確になれば、具体的な計画も立てやすくなります。
      • 生活費の見直し: 固定費や変動費を見直し、無駄を省くことで、生活費を圧縮できるかもしれません。
      • 投資の活用: 時間は投資において強力な味方です。積立投資などを活用し、長期的な資産形成を目指しましょう。

投資は「時間」が成功のカギ

現在100万円の投資資産があるとのことですが、毎月3万円ずつ、年利3%で15年間運用すると、約838万円に成長します。しかし、運用期間を20年に延長すると、約1,167万円に。たった5年延ばすだけで、329万円も増える計算です。

このように、投資は早く始めるほど複利効果が期待できます。生活費の見直しと並行して、投資額を増やすことも検討してみましょう。

まとめ|後悔のない選択を

早期退職は、人生の大きな転機です。経済的な側面だけでなく、健康や介護のリスクも考慮し、夫婦で納得のいく結論を出してくださいね。

この記事が、恵美さん夫婦の未来を考えるきっかけになれば幸いです。

 

本記事は、ライフプランニングの一例を紹介するものであり、読者個人の状況に合わせたアドバイスを提供するものではありません。ライフプランの作成や金融商品への投資にあたっては、専門家にご相談の上、ご自身の判断と責任において行ってください。